※こちらの記事は、「人形たちの夢想曲」のネタバレ&裏話記事です。
本編読了後の閲覧を推奨します。




名前の由来

「人形たちの夢想曲」
「金魚夢十夜」「鳥を夢みた男の話」に引き続き、「夢」縛りのタイトルにしてみた。
僕はいつだって夢を見ていたい。

オスタルクの街
Ostarcと書く。actors(演者)のアナグラム。
元にしたのはチェルタルドというイタリアのフィレンツェ近郊の街。この街では年一回、夏にMercantina(メルカンティナ)と呼ばれる大道芸のフェスティバルが開催されている。ちなみに、『デカメロン』を書いたボッカチオゆかりの地でもある。
まだ行ったことはないが、せっかく近くに住んでいるのでぜひ行ってみたい。

ジャザリー
アル=ジャザリー。自動人形(オートマタ)を色々作ったエンジニア。
レオナルド・ダ・ヴィンチはジャザリーのオートマタに影響を受けたらしい。
発明家であり、職人であり、芸術家であり、技術者でもある多様なあり方がすごくかっこいいな、と思ってモデルにした。前作の「鳥を夢みた男の話」にも、レオナルド・ダ・ヴィンチをモデルにしたキャラクターがいるので、こうした多面体のような生き方に憧れているんだろうなぁ。

スタン
スタンチク。ポーランド史上最も有名な宮廷道化師。
ストーリーの中のスタンは宮廷道化師ではないけれど、知性溢れる道化師というイメージで名前に採用した。

デーマ
「そう。ぐしゃぐしゃになりかけた人形劇を解決に導いた神のような存在、オレの息の詰まるような人生を無茶苦茶にぶっ壊して、新しい道を示してくれたヒーローのような存在だったから」
まるで機械仕掛けかと思うほど、よく喋りよく動くという意味もかけている。

ボウライ
暴雷(激しい落雷)のイメージ。強くて怖い。

マリーとメリンダ
メリンダはなんとなく。
マリーは、執筆途中でふとマリービスケットを食べたいなと思ったから。


ユクス

üks. エストニア語で"1"を表す。本来の発音は「ウックス」みたいに聞こえる。
響きのカッコよさで決めた。

移動サーカス団『オーヴァー・ザ・ムーン』
be over the moonの意味はto be very pleased、すなわち「(月を飛び越えるくらい)嬉しい」という意味。天まで登る心地、とでも言い換えられるかも。
響きもちょっとおしゃれで気に入っている。

青銅の巨像タロース
ギリシア神話のタロース 。クレータ島を守る自動人形。
人形が人間のように動き回り、人間(スタン)が自動人形を演じる劇って面白いだろうなと思ったので。



セリフについて

「ちなみに、この原型状態でも、ジャザリーならもう動かせるの?」
ペイントが入っていないから動かせない。ハートのペイントさえ入れたら動かせる。


「鳥になってお空を飛ぶことかな!虹色のとさかをつけて、パタパタ空を飛んじゃう!なーんてね!」
ニジイロトサカチョウ。元ネタはこちらをどうぞ。


「だって、一座に属していれば、ご飯と寝る場所は保証されるんだよ?」
「でも、夢が叶うかどうかは保証されない」
このやりとり好き。


「鍛えろよ、ジャザリー。筋肉は世界を平和にするぞ」
世界の真理。



作品のメインテーマ

創作の動機の切り替わりを乗り越える。

これまで、自分の過去の痛みや苦しみを昇華させるために創作をしてきたが、苦しみがなくなったら作る意味や意義がわからなくなってしまった。じゃあ、何をベースに創作していけばいいんだろう?という問いに対するひとつの答え。



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