前回の準備編はこちら。
いよいよ推しをこの世に錬成してまいります。
制作の様子
小学生の頃、クロスステッチにどハマりしていた時期があったのですが、何かを手縫いでがっつり作るなんて久しぶり。
さて、まずは型紙を切って、それに合わせてフェルトを切っていくところからです。
型紙は完璧に切れました。ま、当方切り絵作家なもので。
ってことはフェルトも余裕でしょ。
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...ぉ? |
おいおいちょっと待て。線ガッタガタやないかい。
そう、気づいたことがあります。フェルト切るのってすっごい難しい。
・型紙を重ねてはさみで切ろうとするとずれていく
・カッターで切ろうとすると、刃に引っ張られて布地がちょっと伸びるし、全然うまく切れない
・チャコペンでフェルトに印をつけようとしても、全然うまく書けない
・ボールペンを使っても書けない
・油性ペンを使っても書けない
・まち針が家にないまま休暇シーズンに入ってしまった(致命的なミス)
うそでしょ全然思ったように切れない!!!!!
紙なら切れるのに!!!影織の方が先にキレた!!!!
...とりあえず、ダブルクリップで挟みながら、なんとか切っていきました。
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小さいパーツはまだなんとかなるんだけども。
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そもそも、体の部分を3色構造のグラデーションにするの〜!というクライアント(己)の要望で、分割したところから苦しみは始まっていました。
ぴったり切れないと、縫い合わせた時に整合性が取れなくなってしまう。
でも、切れば切るほどずれていく...Ahーーーーーーーーーーーーーーーー
こんな面倒な仕様にしたの誰?俺か。
はぁ...はぁ...なんとか切ったよ...
胴体は3回くらい失敗しました。フェルト多めに買っておいて良かったね。
最終的に、3色を全部フルボディで2枚ずつ切り抜いておき、重ねた状態で分割しました。それでもずれたのですが(爆)、のちに辻褄合わせをしました。
切り絵作家のくせにこんなに切るパートで苦戦するなんて思ってなかった。
切るパートでだいぶ心がしんどくなりましたが、縫うパートに入っていきます。
めげずに行こう。
まずは縫う練習です。慎重に行きたい。大胆に切り始めて先ほどおおいに失敗したので。
記念すべき一差し目はおなかの部分です。
繋げていく時に布が大きく余る or
足りない状態にならないよう、はみ出した部分はカットしつつ、かつ左右差が出過ぎないように、かなり慎重に切り揃えました。
こんな七面倒な3色グラデーションにしたいって言ったの誰?俺か。
どうしても布が明らかに足りない部分があったのですが、そこはフェルトをよしなに継ぎ足して、きれいにごまかしました。
はい、切り絵作家の力がここで出た。
切り絵作る時もいつもそう。うっかり大事な部分を切り落としたらそーっと紙を継ぎ足すのはよくある話です。
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生きててよかった。世界は美しい。
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ア------------!!!!!!!!!!
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時々発狂しながら順調に縫い進めて、ふとクライアント(己)からフィードバックがありました。
「背中としっぽのふさふさの感じ、型紙と解釈違いよ。これじゃあ丸っこすぎるわ。本物はもっとトゲトゲして強いのよ」
...待ってください、胴体の曲線にぴったり重ねて背中から尻尾にかけてフェルトを切り出す作業、すっごい大変なんですよ?
「でも解釈違いでしょ?」
......あぁそうだな!切り直すよ!!!!(半ギレ
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縫い合わせたら隠れるのでチャコペンでガシガシ描いた しっかり描けばなんとか描けるものだってわかった |
ふぅ...さて、縫い合わせていきます。
私は切り絵のおかげで、ミリ単位のサイズを、目分量でもいい感じに認識する能力が使えるようになったんですが、この力がステッチでも結構応用できることに気づきました。
ステッチの幅と間隔を、ほぼ均一に揃えやすいのです。
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ブランケットステッチ、相当うまくなってきた |
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完成をイメトレしてモチベを上げてくスタイル
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なるほどね...なるほどね
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ツノです。カワイッ.........
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綿を詰めます。
そうそう、気づいたんですが、この詰め作業、愛用しているNTデザインナイフDS-800Pの後ろの部分がだいぶ役立ちます。
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いい感じに押し込める。
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ぎゅぎゅっと |
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ァカワイッ......... |
だいぶパーツが揃ってきた。全体の工程としてはもう、折り返したんではないか。
ということで、最も大事な部分、目の練習縫い。
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うーん? |
最初は、上の写真のように、ただのサテンステッチで縫っていたのですが、なんだかちょっと物足りない。
そこで、フェルトを目の大きさに切ってそれを縫い留めるようにサテンステッチをしてみたのがこちら。
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立体的でいい感じになりそーじゃん!?!?!?
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よし。ということで縫ったのがこちら!
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凛々しい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
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えっ、最高にかっこいいじゃん...
最高にかっこいいじゃん!!!!!(2回言った)
じゃあいよいよ胴体をつなぎ合わせて、綿を入れていく作業に
入る前に、改めてこちらの画像を見ていただきたい。
この画像に違和感を覚えた方はいないだろうか。
おわかりいただけただろうか。
このまま縫い合わせてしまうと、片面が裏返しになるのだ。
胴体の縫合の立体感と、目が丸ごと裏返しになるということは...
片面全部やり直しですね!!!
あぁぁぁぁぁぁぁうそでしょ!?!?!?!?!?!?!
この3色グラデーションも目玉も相当大変だったんですけども!?!?!?!?!?!!?
エンジニアだもの、数時間かけて実装したデータをうっかり吹き飛ばしたことの一度や二度あるでしょう。それと同じ...同じだ...ウゥゥ...
ということで、1分ほどフリーズして、虚無の心で2時間くらいで復旧したのがこちらです。
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はい、できた。 |
こ、心がしんどい...
けど、ようやく、今度こそ、綿詰めです。
裏表が正しいか1000000回確認したので今度は本当に大丈夫です。
よし、ここからはもう、あとパーツをどんどこ並べてつけていく作業です!
だいぶ完成が見えてきた。
あ、でもその前に、尻尾の赤と青の飾りの部分も、間違えて二つとも同じ向きでくっつけていたので、片方全部糸を切って縫い直しました(白目)
裏と表をちゃんと確認するの大事だな...こんなトラップ知らなかった...
あと、頬の赤い模様の部分のパーツを片方無くしたので、もう一回縫い直しました。
もうこれくらいの縫い直しじゃ心動かない。
切り絵もそうなんですが、ちぃちゃいパーツはちゃんと管理しないといけませんね。
しょっちゅうなくしてしまう...自分の管理能力の甘さを忘れ、歴史は繰り返す...
ついでに、足を並べたら向きが解釈違いだとクライアント(己)からフィードバックがあったので、もう一個足を作りました。
向きが解釈違いってどういうこと?
最後に、頭頂部にももう少し毛並みが必要だとクライアント(己)からフィードバックがあったので、追加で作りました。
それを作って縫い合わせた後に、毛の流れが美しくないとクライアント(己)からフィードバックがあったので、ちょっと糸をほどいて、カットして修正しました。
けどもうこれくらいの縫い直しじゃ心動かないからな。
完成
セルフ解釈違いと数々の手戻りに発狂しかけながらも、細かい部分の修正を重ねに重ね。
ついにできた〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
ねぇ〜〜〜〜超可愛くないですか?????
超凛々しくないですか?
推しが存在する世界線に来てしまった!
なんて世界は美しいんだろう。
ブログ書くのを推しに見守ってもらえる世界線。
最高か?
まとめ
いやほんとに、ほんとに大変でした。
超しんどい...とッカワイイネェ!!!を高速反復横跳びした5日間でした。情緒不安定か?
なんで大変だったかって、人生初のフェルトぬい作成のくせに、全く型紙通り作らないからだよ。
でも、この数々のしんどさ(ほんとマジでしんどかった)を乗り越えた先で、理想の推しが理想の形で降臨してくれて最高でした。うそ、現在進行形で最高です。
さわれる。だっこできる。推しが現世にいるって尊いね(合掌)
ということで、非常に充実した年末年始を過ごせたのでした。
最高。ありがとう人生。ありがとう。
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