「預言者」という作品を読みました。



概要

「預言者」(The Prophet)は、レバノンの詩人・哲学者であるカリール・ジブラン(Kahlil Gibran)によって書かれた詩集です。

主人公である預言者アルムスタファ(Almustafa)は、長く住んでいた島を離れ、故郷に帰ろうとします。
その間際、島民たちが愛、苦しみ、善悪、友情、労働などのさまざまな人生のテーマについてアルムスタファに教えを乞い、対話するという形式の散文です。



感想

いくつか心に残った文を引用します。

カリール・ジブラン「預言者」引用

カリール・ジブラン「預言者」引用

カリール・ジブラン「預言者」引用



最も心に残ったのは、一つ目の引用、「労働について」の一文です。

愛をもって働くとは何か。 
それは、心から縒り出した糸で布を織ること。あなたの愛するひとがそれを身にまとうかのように。


この一文を読んだ時、すごく胸がグッと熱くなったんですよね。



ものづくりしている時って、しんどい瞬間がまぁまぁあります。
開発中のエラーが解消しなくて、どうしたらいいかわからないとか、
全然いいアイデアがまとまらないとか、
完成までの道のりが遠すぎて飽きたり疲れたりしてくるとか...

うんざりしてしまうことがたくさんある。
けれど、いつか愛する人に手渡すために、優しく想いを込めて作り上げるのだ、と思ったら、喜びを持って取り組めるよな、と腹落ちしたのです。



この項の中で、以下のようにも語られます。

労働、それは目に見えるようになった愛。愛なしで、ただ嫌気だけで働くなら、むしろ働くのをやめて神殿の門のわきに坐り、喜びをもって働く者に施しを乞いなさい。
なぜなら、心を込めずにパンを焼けば、出来上がるのは苦いパン。それはひとの飢えを半分しか満たしません。


ほんとにそう。
いやいや取り組んだものって、全然エネルギーが乗らないのです。
エネルギーの乗らないもので、人を喜ばせることは難しい。

いつだって愛をもって取り組みたいよなぁ。




まとめ

他にも、たくさんの深い言葉が含まれていて、読んだ後に胸に灯がともるような感覚になる一冊でした。

何度も繰り返しじっくり読みたい作品です。