新作の開発者インタビューみたいなものにすごく憧れるので、今日は自分で自分にインタビューして記事にまとめちゃうことにしました笑魔法のようなAR #切り絵 絵本、販売中!— 影織 (@kageori_w) November 11, 2019
物語・切り絵・実装全て手掛けました。専用アプリを入れると、絵本にかざして遊べます🎉
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新作AR切り絵絵本「金魚夢十夜」は、2019年10月29日より開催される「切り絵3人展 夢語り」にて販売および原画展示が始まります。
今回は、本作の制作・開発・プロデュースを手掛けた切絵童話作家 影織の完成記念インタビューをお届けします。
ーーこのたびは絵本の完成とアプリリリース、おめでとうございます!今回はどんな作品なんですか?
ありがとうございます!展示会開始はまだですが、なんとか形に出来てほっとしてます。今回制作したのは、AR切り絵絵本、つまりARと切り絵を組み合わせた絵本です。金魚が観たという10の夢の短編ストーリーを絵本にしました。絵自体ARのマーカーになっているので、絵本はもちろんのこと、作品もほとんどがスマホをかざすことで動くようになっています。
ーー今回の作品、制作期間はどれくらいですか?
そうですね...物語の骨子はだいぶ前にできていたんですが、制作に着手したのが前回の展示会の後で、展示開始ぎりぎりまで制作していました。物語の推敲に2週間ほど、下絵と切り絵の完成に2か月弱、絵本の版組や印刷に3週間、ARの実装は、調査期間を含めてリリースまで1.5ヶ月くらいですかね。とはいえ、必ずしも一つのフェーズにかかりきりというわけではなく、並行して作業していたところもあるんですけどね。物語を推敲しつつ、Unityの使い方を学んだり、切り絵を切ったり。
ーー物語の執筆と、切り絵と、ARの実装…全部お一人で?
はい。作業量が結構膨大なので、途中で何回か心折れかけることもありましたが、「完成したAR絵本がなんとしても見たい」という思いで、粘って無事作り切れました。本当、頑張ってよかったです。
ーー今回はWebAR(ブラウザにアクセスするだけで見られるAR)ではなく、アプリをダウンロードする形にしたんですね。なぜですか?
WebARは、ダウンロードの手間がない点とても導入しやすくて、展示会向きなんですけど、どうしても表現が限定されてしまうんです。黒い正方形の枠で囲まれたマーカーでないと検知しないとか。あとはWebARの方が表示が不安定になりやすいです。あとは普通の絵をマーカーとして使いたいとなると、どうしてもWebで実現するのが難しいので、今回はアプリをリリースしてみることにしました。それに、「わざわざアプリをダウンロードするのは手間で、WebARより遊んでもらいにくいかも」というのもあくまで仮説だったので、今回アプリでやってみて、遊んでもらいやすさを検証できたらいいな、という狙いもあります。
ーーWebARと開発の勝手が違って、苦労したのでは?
今回、初めてがっつりUnityでアプリ開発したんですが、最初はわからないことだらけだったので、行き詰りまくって苦しかったですね。ちょっとしたことを実現したいだけなのに、コーディング方法がわからない、思うように動かない、というもどかしさがありました。例えば、マーカーを検知したタイミングで鳥の群れが飛び始めるようにしたかったのですが、アプリを起動した時点で、もうバックグラウンドで鳥が飛び始めてしまって...少し時間を置いてからスマホをかざしたら、もう群れが遥か彼方にいなくなってる(笑)
結局そこは解決できなくて、実装を諦めて静止させておくことにしました。実装方法を知っている方がいらっしゃったら、今からでも是非教えていただきたいです...(笑)
あと、アプリのリリースには審査があるんですが、それが間に合うか、かなりやきもきしました。Appleの方で一度リジェクト食らったんですけど、そこで指摘されたことを改良した結果、動線がわかりやすくなったのでかえって良かったかな、と思いました。