そこで、自分の芸術作品を言葉で説明する、ということの要不要について考えたので、今日はそんなお話をしてみたいと思います。
芸術作品をわざわざ言葉で説明すること
芸術作品は下手に言葉で説明するものではない、見てそうだとわかってもらうようでなければいけない…と人に言われて、確かにそうだよな、と思ったので、最近の展示では、キャプションには最低限(タイトル、作家名など)くらいしか書かず、聞かれた時にだけ追加で説明するようにしていました。が、今回の展示で、作品を見てくださった方に説明していたら「そういうことがキャプションに書いてあったらもっと伝わると思うよ」ということを言われ、うーんそれも確かにそうだよな、と思ったんですね。
何を伝えるべきか
いろいろ考えた結果、作品の中で工夫したポイント、注目してほしいポイントは積極的に伝えた方がいいな、という結論に達しました。ただ作品が並べてあっても、どこが面白いポイントなのか、どこに工夫がされているのかがわからなければ、「わーすごい」「わー綺麗」と一瞬目を留められて、そのままさっと流されてしまうんですよね。
ですが、「この作品はこういうところに工夫があります、こんな風に見るとより楽しめます」と楽しみ方をキャプションに一言添えておくだけで、作品をより楽しんでもらえますし、記憶にも残りやすくなるかなと思います。
例えば今回の龍の作品について、キャプションに書けばよかったなと思ったのは、「Discoveryという作品展テーマに対して、墨汁と金箔を使う日本画的な美を再発見し、自分の作品に取り入れた」ということでした。
逆に、何を伝えないべきか
作品の工夫の過程や、作品に込めたメッセージなどは、キャプションなどで明示しない方がいいのかなと思いました。今回の例で言えば、切り絵に金箔を貼る手順だったり、なぜ今回登り龍を作ったか、などにあたりますね。そういうコメントは、作品自体を楽しむことの邪魔になってしまうのでは、と考えたからです。
前者は、あくまで作品作りの舞台裏的な話なので、作品そのものを楽しんで味わってほしい展示会場では、掲載不要なのかなと思います。
また後者は自分の思いをぐいぐいと押し付けるような形になってしまって、やっぱり作品そのものを楽しんでもらうことを阻害してしまうように思います。
…でも、こういうことも語りたくなってしまうんですよね~笑
なので、語りたくなった時は、ブログの方にだけ書こうと思いました(というか、もう既に書いていますけどね)。
このブログを読んでしまうマニアックなあなた(ありがとうございます)にだけ、ひっそりがっつり語りたいと思います。
まとめ
改めてブログを書きながら、自分の芸術作品に言葉を添える時、何が必要なのか、それがなぜ必要なのかがクリアになったように思います。ということで今後、キャプションには作品の工夫ポイントを添えていこうと思います。
そしてその文章が、お客様に展示会場で作品を楽しんで味わってもらうために有効か?かえって邪魔していないか?をしっかり判断したいなと思いました。