不思議な夢をいくつか見たので、今日はそのお話をしましょう。
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扉を開けると、小さな木製の椅子がひとつあった。
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扉を開けると、小さな木製の椅子がひとつあった。
そこに座って、私は「私」と対話を始めた。
ーーこれは、おもしなの
ーー石を詰めておかないと、あなたは身軽にどこへでも行ってしまうから
胸がずきずき痛む
ーー石が尖っているからよ
ーー石を詰めておかないと、あなたは身軽にどこへでも行ってしまうから
胸がずきずき痛む
ーー石が尖っているからよ
もし石がなかったらどんな感覚になるんだろう?
ーー教えられない、それを知ったら、あなたは飛び出していってしまうから
何が胸に石を詰めているのか?
ーー自由でいることへの、罪悪感
ーー自由になれば一人になってしまうと恐れている
ーー自由になれば一人になってしまうと恐れている
ーー不自由を選んでいるのは、あなたよ
ーーあなた自身の選択なのよ
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扉を開けると、「弟」が椅子に腰掛けていた。
私には兄弟がいない。
しかし、そこにいたのはまぎれもなく「弟」だった。
「弟」はしばらく黙って拳にテーピングしていたが、やがて目を落としたまま呟いた。
ーーなんで、俺を悪者にするんだ
そんな…そんなつもりはないわ
ーーおれは、あんたを守ろうとして闘っているだけなのに…
「弟」は、悲しそうに目を伏せて、またテープを巻き始めた。
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扉を開けると、どこまでも闇が広がっていた。
そこへするりと身を滑りこませ、私はしばらく歩いた。
ふと、少女の声が耳に入った。
ーー自由になったらどんな感じか、知りたい?
知りたい、と答えると、少女は高揚した声で叫んだ。
ーーあなた、宇宙になるのよ!地球よりずっと青くって、ずっときれいなの!
ぱん、と青い光が弾けて、きらきらと私の身を取り囲んだ。
ーー宇宙に、なるのよ!
少女の鈴のような笑い声がいつまでも響いていた。