せっかく本を読んで知識を得ても、忘れてしまうなら意味がない、ということを聞くことがあります。忘れないようにするためのノート活用法や読書術もいろいろ見かけます。
ですが、そうしてきちんと内容を記憶しなければ、と思うと、読書が苦痛になってしまうかもしれません。
ですので今日は逆に、本を読んでも忘れてしまっても構わないというお話をしたいと思います。
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読書と食事と比較しながら考えてみましょう。

どんなに美味しく、素晴らしいものを食べても、最終的にはおおかた排出されてしまいます。
読書した内容が記憶から流れていってしまうのも同じような現象と考えればよいのです。

体内に入った食べ物を100%エネルギーや蓄積に変えるのが困難なように、
すべての内容を一字一句もらさず完璧に記憶して、自分のものにするというのは難しいです。

ですが、摂取した食べ物の養分は、もちろんすべてがムダになるわけでなく、自分と同化して(という表現は不正確かもしれないのですが)筋肉や骨を形成します。
同じように、読書して得た知識や感動は、なにかしら残って、自分と同化して自分の価値観を形作ります。

ですので、たくさん読んで、そしてたくさん忘れてしまって良いのです。
そのうえで、これは絶対に忘れずにいたいからメモをとろう、とか、後でいつでもすぐ読み返せるようにふせんを貼っておこう、とか思えば、そうすればよいでしょう。

こう考えると、読書した内容を忘れてしまうことを、後ろめたく思わなくてもよいのではないかなと思います。
もう少し広げて、映画や絵画、芸術作品を鑑賞して、忘れてしまうことを後ろめたいと思わなくてもよいのかもしれません。