展示されているのは、空想世界の「採集物」を標本にしている、というコンセプトの作品なのですが、本当にそのような世界がどこかにあり、そこで採集活動をされているのではないか、と感じられます。
これらの作品の魅力は、美しい芸術品(=標本作品)だけでなく、その作品の背景、世界観(その標本がどこで採集されたのか、どのような特質をもつのかなど)までを含めて見せていることだと感じます。
ですので、設定は架空のものだとか、植物は作られたものだ、と言ってしまうのはあまりに野暮で、その世界は間違いなくどこかに(きっと、作者の精神世界に)存在している、と私は考えます。
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ところで自分にとって創作の楽しさとは、現実と異なる少し不思議な世界が立ち上がることだと考えています。
自分の中の世界を現実界に切り出して見せる手段が、私にとっては切り絵や文章で物語を提示することであり、飴色団栗研究室さんにとっては標本を制作される事なのかな、と思いました。
今回個展を拝見して、自分の心の目でしか見えない世界を、現実界の五感で捉えられるのがとても楽しく嬉しいことなのだと、そして自分はそういう表現手法を追求したいのだ、という思いに気付くことができました。
まだ具体的なアイデアにまで成長していないのですが、今後、今回感じた事を踏まえて創作に取り組んでいけたらいいなと思います。