友人に「自分はアートに詳しくないから知りたいんだけど、作品の値段の根拠って何?」と聞かれました。

え?ええ?根拠…?

時給換算か、原料費から考えるか、デザインやサイズで一律にするか…
作品の販売経験はほとんどないのですが、色々な手段を想定しても、数値化するの客観的な「根拠」を示すのが難しいのではないか、と思うのです。


となると価格を決めるのは、もはや「私は○○円がいいな」という好みの問題なのではないか、と思います。

自信がない、さらに言えば、人に馬鹿にされるのではないかという恐れがある場合、それに引きずられて値段をどう設定したらいいのかわからなくなってしまうこともあるかもしれません。
「えっ、こんなちゃちい作品に○○円もつけてる笑」
「これっぽっちの作品に○○円つけるなんて、どんだけ自信家なの笑」
…と言われるのではないか、とか。
自分の頭の中で勝手に陰口劇場を妄想しているだけなのですが、値段をつけることが怖くなってしまいます。


しかし、人にどう思われるかが怖くても、自分にとって、本当はこれがちょうどいい、と心に抱いている大体の値段があるのではないでしょうか。

たとえば何十時間もかけて、苦労して、工夫して、心を込めてやっとやっと創りあげた作品に対して、「値段つけてあげる!これ10円ね」と誰かに言われたとイメージをしてみると、
「あ?10円?たった10円?なんでやーーー!!」と胸倉をつかんで揺さぶりたくなる、とか。

ですので、値段についてダメ出しする人がいないとしたら、
むしろ財布を片手に目をきらきらさせて、払う気マンマンの人が立っているとしたら、
作品それぞれいくらくらいで提供したいだろう?と心に聞いてみると、
自分の思うぶっちゃけちょうどいい値段、「私は○○円がいいな」がいくらくらいなのかわかるのかもしれません。

もし怖さを感じても、本心の適正価格に合わせて提供することで、買ってもらえた時に、買ってくれた人が作品の値段でなく、作品自体に魅力を感じてくれたという自信にもなるのではないでしょうか。