さて、前回は,切り絵のうっかり切れてしまった部分の修復作業にはエンボスペンを使うとよい、という話をしました。
今日はその具体的な手順をご紹介します。
矢印で示した部分が切れてしまいました… |
本当は赤線のように繋がっているべきところでした。 |
こういう時、私は、紙を接いで直しています。
修復予定の部分を拡大して横から見た図 |
具体的な作業を見てみましょう。
①まず、切れてしまった線(青矢印)と同じくらいか、少し太いくらいの線を、0.5cmくらいの長さに切り出して準備しておきます(赤矢印)。私は切りくずから切り出すことが多いです。
②エンボスペンでのりをすくいあげ、カットした紙につけます。
③切れてしまった部分の一方の端(赤矢印部分)を裏面から固定します。
エンボスペンでとんとん叩くように接着しています。
もう一方の端(青矢印部分)を一緒に固定しようとすると、ずれてはがれてきてしまうので、まず一方だけ止め、のりが固まるのを待ちましょう。
④固まるのを待つ間に、再び①の作業を行い、接ぐための紙を準備しておきます。
⑤固まったら、同じ要領で貼っていきます。
⑥十分に乾かしたら、紙を接いではみ出してしまった部分をカットして完成です。
接いだ部分を表から見た所 |
ポイントとしては
・①で接ぐための紙をカットする際は気持ち大きめに
大きめに切っておけば、⑥の段階でカットできるのですが、小さすぎると、接いだ紙を更に接がなければならない、という状況になるので注意。
・③、⑤でのりづけする際、修復する周辺のトレーシングペーパーははがしておく
下絵のトレーシングペーパーがいっしょにくっついてしまうことがあります。無理にはがそうとして二次災害が起こることも…
・③、⑤でのりづけしたら、固まるまでしっかり放置する。
あせって作業を始めてしまうと、せっかく貼った部分がずれてきてしまったり、⑥の工程で紙がふやけて切りにくかったりします。
切り絵作品は一枚の紙が繋がっているべきというのはもちろんなのですが、せっかく頑張って切っていたのに、うっかりミスでおじゃんになって全てやり直し、となるのも悲しいので、この繋ぎ方を考えて使うようになりました。
なるべく切れない方がいいけれど、切れてしまっても大丈夫、という安心感があれば、楽しく切っていけると感じています。