簡単に言うと、メモを取る訓練を重ねることで、誰でも(年齢、性別、学歴などに関わらず)頭の回転を速くし、考えをより深めたり、多面的な物の見方を身に着けたりできる、という手法を紹介している本です。具体的には、
A4用紙を横置きにし、1件1ページで、1ページに4~6行、各行20~30字、1ページを1分以内、毎日10ページ書くというルールで、頭に浮かぶ疑問やアイデアを書き留める一日10分間のメモ書きをすることで、頭の中や感情が整理されると説明されています。
最初、このメモ書き方法を試すにあたり、10枚も書けないのでは?と思っていたのですが、
自分が抱えている問題を細分化し、それぞれ考えていくと、意外とあっと言う間に10枚くらいかけてしまいました。
しかも、不思議なことに、1分という短い時間で思考を追い込んでいくと、気づいたら問題を明確化して、さらにその解決方法までちゃんと自分で書き出しているんですよね。
ですので書くだけで大分すっきりして、安心します。
たとえば私の場合、ここしばらく漠然とした不安を抱えていたので、上記のやり方をもとに「不安について」という大きなテーマを立てて書き出してみました。
すると、その不安の原因の一つに「切り絵の展示や依頼などが立て込んでいるが、ちゃんと創りあげられるかなという不安」があると気づきました。
そこでさらに、
「気持ちに余裕を持って創作する方法とは?」
「他にも、時間がないという焦りを感じながら作業をした経験はないか?」
「あったら、その時はどのように解決したか、どうすべきだと感じたか?」
など問題を分解して、それぞれについて1分間でアイデアを書き出してみました。
結果、短い時間の中でとにかく完成品の水準を上げようとして、体調を崩すまで頑張り過ぎてしまった経験をいくつか思い出しました。同時に、作業工程を分割し、いつまでに何をするのかという逆算をしておくこと、作品の中で何ができていれば最低限の完成かというラインを決めておくことが大事、という結論に至りました。
そうはいってもやっぱりどこから手を付けていいかわからない、という人のためにも、本書には400タイトル以上のメモ書きのネタも収録されていますし、とても取り組みやすいです。
不安があると、どうしても良いアイデアが浮かびにくいですし、焦りがあると、とかく作業が雑になってしまいがちです。
そんな時にこうして問題を切り分けて、スッキリ整理すると、安心して創作に打ち込めますね。
※ちなみに、本書の中で、メモ書き用に推奨されているのが以下のペンです。
私はシャープペンで書いていたのですが、1分という短い時間で書き出さなければ、と考えると、書く手に力がこもって、大分疲れます。
私はまだこのペンは使ったことがないのですが、これを使う事で、筆圧をかけず、なめらかに書けるということなので、自分の思考がよりダイレクトに文字として書き起こしやすくなるのでしょう。
やっぱり、道具選びは大事なのだなと思った、という余談でした。
私はまだこのペンは使ったことがないのですが、これを使う事で、筆圧をかけず、なめらかに書けるということなので、自分の思考がよりダイレクトに文字として書き起こしやすくなるのでしょう。
やっぱり、道具選びは大事なのだなと思った、という余談でした。